薬剤師の国家試験は今も難易度が高い?合格率を低くする2つの要因とは?

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薬学部を卒業して国家試験の受験資格を得たとしても、薬剤師国家試験に卒業生全員が合格するとは限りません。特に薬剤師国家試験は難化していることが問題視されています。
薬剤師国家試験の難易度が上がっているのは、どのような要因が関係しているのでしょうか。本記事では、薬剤師国家試験を難化させる2つの要因を詳しく解説します。

薬剤師国家試験を難化させる2つの要因

薬剤師国家試験の難易度は、いつの時代も薬学教育の問題点として注目されています。いわゆる、国家試験の難化が続いているということです。その理由を解説します。

理由1:薬学生全体の学力低下

2003年、日本は医療教育に力を入れるため、薬学部の新規開設の規制緩和を実施しました。それ以降、2021年には薬学部・薬科大学の数は国公立私立を含めて77を超えています。

薬学部の新規開設によって、薬学生になるための窓口が広がったことは大きなメリットになりましたが、一方で、人数が増えたことが原因で、薬学生全体の学力水準が低下してしまうデメリットが発生したという訳です。

そのような訳で、薬剤師国家試験を受験する薬学生が大幅に増えたため、合格率の低下が目立つようになっています。薬学部を卒業していても、学力不足の薬学生が一定数存在していることが浮き彫りになっているような状態です。

理由2:薬剤師国家試験の問題様式の変化

薬剤師国家試験を見ていくと、問題様式の変化が顕著になっています。

例えば、国家試験の出題傾向として、消去法で考える出題よりも、思考する出題のほうが増加しています。より実践的な内容になっているという訳です。ですから、暗記するだけでは対策できないような問題様式に変化しています。

また薬剤師国家試験の合格基準は、他者と比較して評価される相対規準で決定されるため、何点取れば合格というボーダーラインが毎年変動するのも要因の1つといえるでしょう。

薬剤師国家試験の合格率が高いのは国立・公立大学

薬剤師になるステップとして大学選びは非常に大切です。薬学部卒業後にストレート合格を目指すなら国立・公立大学を視野にいれるべきです。その理由を解説します。

例えば、令和5年2月の第108回薬剤師国家試験の結果を確認すると、国立・公立大学の薬剤師国家試験の新卒者合格率は90%以上になっています。他方、私立全体の新卒者合格率は84.32%です。つまり、大学によって合格率に差があることが証明されています。

別の見方をすると、国立・公立大学の新卒者合格率が90%以上ということは、薬学部卒業生であれば、その後しっかりと勉強して取り組めば薬剤師国家試験の合格は決して難しくないということになります。

薬学部の卒業生は、薬剤師国家試験を突破できる学力を在学中に十分に得ているのです。

まとめ

薬剤師国家試験の難易度は高いといわれていますが、厚生労働省が発表している資料を見る限りでは、薬学部に入学・卒業できた新卒者の大半は薬剤師国家試験に合格しています。

合格率の低下の要因は、薬学生の割合が増えた結果や、問題様式の変化が影響しているようです。ですから、国立・公立大学に入学・卒業し、しっかりと勉強すれば合格することは決して難しくありません。

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