薬剤師は安定した職業と言われてきましたが、近年はAIの進化や医療制度の変化により、将来に不安を抱く人も増えています。
本記事では、薬剤師の将来性やキャリアアップの方向性について解説するので、ぜひ目指す際の参考にしてください。
薬剤師を取り巻く環境は、技術の進歩や需要によって日々変化しています。
ここからは、現在の薬剤師を取り巻く環境について異なる視点で解説していきます。
現代社会で医療の需要がなくなることはないため、薬剤師は安定した職業として人気です。
また、医療機関や調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社など幅広い分野で活躍できるという選択肢の多さも人気の理由となっています。
また、近年は高齢化や生活習慣病の増加によって薬の需要が高まっており、それに伴って薬剤師のニーズも増えています。
薬剤師は人気の職業である一方で、将来性を不安視する声もあります。
以下では、薬剤師の将来に関する2点の不安要素について紹介します。
薬剤師の将来性が不安視される理由の1つが、AIの台頭です。
AIの発展は目覚ましく、やがて薬剤師の仕事を奪うのではないかと言われています。
特に、AIや機械が導入されれば、従来の薬剤師が行っていた調剤業務をAIが担当するようになり、薬剤師は人員削減される可能性があります。
日本が人口減少している中において薬剤師は増加傾向にあるため、そのうち飽和状態になるという予想もされています。
実際に、厚生労働省が発表した2022年時点の薬剤師の有資格者数は323,690人で、前回統計の2020年に比べて1,708人増加しました。
それに対して、一般職業有効求人倍率は2018年の5.35倍から2022年には2.03倍まで低下しているため、薬剤師の求人も減って競争率が上がっていると予想されます。
一方で、まだ売り手市場であることには変わりなく、地方や離島などの人口減少が著しい地域では、薬剤師を含む医療従事者不足に悩まされており、今後も需要が急激に減る可能性は少ないと予想できます。
今後は更なる高齢化の進展により、在宅医療や地域密着型の医療が求められる時代に突入します。
その中で、薬剤師には患者とのコミュニケーション能力や、服薬指導、チーム医療の一員としての役割が重視されるようになります。
つまり、薬を渡すだけでなく「患者の生活を支える専門家」へと進化することが求められているのです。
そのため、薬剤師として生き残るためには、薬だけでなくより多様な知識・スキルを磨く必要があります。
薬剤師の仕事にAIが入ってくることは避けられません。
そのため、薬剤師として生き残るためには、AIにはない強みを磨いていくことが重要です。
例えば、患者に寄り添ったり、多職種の医療従事者と連携したりといったコミュニケーション能力は、スムーズに患者に薬を提供するために重要です。
また、AIに仕事を任せるだけでなく活用できれば、仕事をより効率的に進められるようになるでしょう。
さらに、英語力や国際的な視点を持てば、国際展開する製薬業界で活躍することも可能です。
ただ薬剤師になりたいと思うのではなく、具体的に目指すべき薬剤師像を持っておきましょう。
薬剤師の将来は一見不透明にも思えますが、時代のニーズに合わせてスキルを磨けば、まだまだ可能性に満ちています。
本記事を参考に、自分がどのような薬剤師を目指すのか、どんなスキルを身に付けたいのかを明確にして、積極的に学び続けましょう。